おせっかい委員会

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出版社の就活:何人採るの?スケジュールは?どんな人を欲してるのか?

自分が就活生のときずっと思ってたんだけど、出版社の就活の全体像って、見えづらくないですか?

選考に進んでいく人が極端に絞られるからか、体験記も数えるほどだし、情報開示されてなさすぎる。

というわけで、私の分かる範囲で、「何人くらい採るのか?」「選考スケジュール」「どんな人を欲しているか」の基本的な情報についてざっくり体感ベースで書き留めておきます。

 

■採用人数

今年、色んな友達から聞いたところによると、こんな感じでした。(2017年時点)

講談社、今年は以上に多い。最近は、総合出版社大手は基本的に二桁、それ以外は基本的に一桁なんですね。いやほんと少ないな…。

その分、どの出版社の内定者たちも、関係が密でかなり仲が良いです。

講談社:20人前後

小学館:15人前後

集英社:15人前後

文藝春秋KADOKAWA白泉社など:一桁(5とか7とか)

 

■出版社の選考

2017年、18卒の私の出版就活スケジュールはだいたいこんな感じでした。主に小・集・講。

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12月 (しんどさ:★)

各企業が採用HPをちょこちょこ公開しはじめる。
新入社員のインタビューとか載ってるページを、むさぼるように読んでました


1月 (しんどさ:★)

ぽつぽつ、出版社がイベントを開催し始める。質問会とか説明会とか。大体抽選だけど。
あと、児童書出版社(福音館)はこの早めの時期にもうES公開しているので、腕試しにES書いてみる出版志望の子は多かった。私ももちろん書きました。ここで一回本気で書いとくと後々ラク。

2月 (しんどさ:★★)

ES公開。

→「うわ、こんな量書くの?」「こんなこと聞いちゃうの〜?」のオンパレード。(講談社はA4 3枚、集英社は3枚+作文、小学館も3枚+作文でした。重い)とにかく、書けるところから早めに書いてみる。

4月 (しんどさ:★★★★★)

ES提出。

→私は出版社8社、その他13社くらいしか出さなかった。それでも怒涛のラッシュで、〆切ギリギリを綱渡り。2月にもっと早めにやっておけばよかった。ここで時間がないから、と出すのを諦めていくと、持ち駒が後でどんどん減って死んでいきます。

→あとこの時点で、志望動機をすんなり書けるところと、筆が止まるところがありました。この時点で合ってるところが分かるもんやな。

5月 (しんどさ:★★★★)

筆記。
「クリエイティブ(川柳)」
「SPI(英語、国語、算数)」
「時事エンタメ問題」

→会場は、東京と大阪で選べます。ESの時期にはもう場所を選んでおかなきゃなので、気をつけて。

→あと毎回、集英社小学館が筆記と面接かぶるんだよな…。私は片方泣く泣く切りました。

5月後半 (しんどさ:★★★)

一次面接(若手)

→一次面接は交通費出ない。地方に住んでいたので、白目になりながら夜行バスに乗る日々。

6月 (しんどさ:★★★★★)

二次面接(編集長)・プチ筆記(→要約、三題噺、ネーミング)
三次面接(人事)
四次面接(役員レベル)ここでほぼ決定

→二次から交通費が出るようになった。面接が毎週ある感じ。私は毎週新幹線でいったりきたり。連泊した方が楽だったな

→他の業界を受けてる友達が、6月1日に内定もらって「就活終了!イェーイ!」な様子を虚ろな目で見つめていました。第一志望のお祈りが来て、血の涙を流したのもこの時期。

7月(しんどさ:★★)

五次面接(社長など)

これは最終の意思確認なので、ここまで来れば落とされることはそうそうない(はず)

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福音館やポプラ社などはこれよりもう少し早く、文藝春秋白泉社などはもう少し遅いです。

とにかく、4月以降ES、筆記、面接面接面接…と死にそうなくらいバタバタするので、それまでにどれだけ準備できるかどうかが大事かと。

 

■どんな人を欲してるか

最後に、出版社には結局どういう人が受かるのよ?ということを、私が考えたなりに書いていきます。

出版社の先輩や内定者を見ていて、わりとみんな共通点があります。それは何か。

一言で言うと、「オタクかミーハーでアンテナが高く、自分なりの意見を持って考えられて、年上の人とちゃんと話せる人」です。

 

 

①コミュ力がある人

…特に、おじさんとも怖気づかずに堂々と話せる人。編集者は結局色んなタイプの曲者の作家とつきあっていく必要があるので、マナーがしっかりして受け答えがちゃんとできる失礼のない人かな、楽しそうに話す人かな、というのは見られます。硬すぎなくていい。ほどよくフランクに気持ちよくお喋りできたらOK。

②なにか一つのことに’愛'がある人

水樹奈々が好きです!乃木坂のためなら死んでもいいです!BL漫画オタクです!といったように、「これなら熱く語れるし捧げられる」ネタを持ってると盛り上がります。私は好きなスポーツ選手について滔々と語り、なんなら結婚したいです!と熱く語っていました。

③幅広いことに興味をもつミーハーな人

…本のみならず、映画でも、旅行でも、スポーツでも、麻雀でも何でもいい。色々興味の幅が広い=話題が広いのも、編集者として必須な特性です。

実際、先輩編集者や内定者と話してると、営業志望の子も映画みまくってたり、可愛らしい女子が競馬好きだったりします。

④自分なりの見方で、世の中の出版物やコンテンツを「もっと面白くできないか」と考えられる人

…単なるファンでも批評家でもなく、常におもしろくするために自分の頭で考えていける人。

映画や漫画に楽しむ前に、ネットでレビューとか見ちゃってませんか?それ、やめたほうがいいです。おもしろポイントとかつまらないポイントとかは、自分の頭で考えた方がいい。

「この漫画のここがいい、〜〜だから超好き」
「ここはわかりにくいなぁ、自分だったらこうするのに」
「これは◯◯だから嫌い!」
とかを自分なりに考えて、それを面接で物怖じせずに言えたら強い。

 

まとめ

・出版社は4月以降、忙しさと、しんどさレベルが急上昇する。ESや筆記は早め早めに準備すべし

・出版社に向いてる人は、オタクかミーハーで、自分なりの視点で考えられて、年上の人とも話せる人。自分の「好き」や「面白い」と思うことを、整理してみよう